2023 全日本選手権自転車競技大会 レポート
2023.06.23
2023年6月23日(金)-6月24日(日)の3日間に渡り全日本選手権自転車競技大会が伊豆修善寺の日本サイクルスポーツセンターにて開催されました。
photo : 三井 至
2023年の全日本選手権は、地元静岡県の日本サイクルスポーツセンター(日本CSC)を舞台に開催されました。
6月23日のU23個人タイムトライアルに山口、6月24日のU23ロードレースに高梨・山口・村上・山口、6月25日のエリートロードレースに床井・鈴木・村山が、それぞれ参加しました。
【1日目】
U23個人タイムトライアル 6月23日(金)
距離:24km(6km×4周)
天候:晴
出走選手:山口
日本CSCを舞台に開催された今年の全日本選手権。
日本屈指の厳しいコースで知られる日本CSCは、平坦がほとんどなく、2-3分の登りとハイスピードの下りを繰り返す難易度の高いレイアウトだ。
この難コースで個人タイムトライアル(個人TT)が行われる事は異例で、全日本選手権としても初の試み。
個人TTで通常使われる空力の優れたTTバイクか、登りや下りの安定した走りを優先するロードバイクか、各選手の機材チョイスも勝敗に大きく影響すると考えられる。
チームからただ一人、TTに出場する山口も、どちらのバイクで出走するか前日まで悩んでいたが、レース直前の試走でTTバイクが有利と決断してレースに臨んだ。
山口は、ロードレースに出場し始めて一年に満たず、日本CSCを走る事も初めて、タイムトライアル自体も2回目の出場である。
ヒルクライマーの山口は、得意な登りに加え、平地の単独巡行にも長けているため、今回は初の全日本選手権ながら、優勝を目指し高いモチベーションで挑戦した。
6kmのコースを4周する24kmの一人旅であるが、はじめてのコースだけあって1周目の下りは慎重さが伺える。2分前にスタートした選手から20秒ほどのビハインドを背負って2周目に突入。
このコースは、下りがテクニカル且つスピードに乗るため、コーナーリングを苦手とする山口は、4周の間にどれだけ下りに慣れ克服するかがタイムを縮めるカギになる。
2周目も、下りは慎重に、登りはペースを刻み、落ち着いたレース運びで折り返しの3周目に入る。
3周目、山口の走りが劇的に変わる。下りのスピードが格段に速くなり、コーナーリングにも安定感が伺え、これまでの2周とは別人のように攻めの走りに転じた。
4周目、最終ラップは下りも登りも全開で攻める。3周終了時はトップから30秒以上遅れていたが、最後は11秒差までタイムを縮め、暫定3位でフィニッシュを迎えた。
その後、シマノレーシングの寺田選手が山口を20秒上回るタイムで走り優勝、山口は4位で初めての全日本選手権を終えた。
惜しくも3位表彰台は逃したが、今後の成長に手ごたえを感じられるレースだった。
6月24日(土)
U23ロードレース
天候:晴 距離:112km(8km×14周)
出走選手:高梨、山口、村上、夏目
2日目はU23ロードレースが開催され、チームから4名の選手が参加した。
アップダウンの激しい日本CSCの8kmを14周、夏さながらの日差しも相まって、スタート前からサバイバルレースが予想された。
序盤からアタックが頻発、直前まで体調を崩していた村上と、夏目が遅れてしまう。
昨年後半から今期にかけ急成長を遂げている高梨は落ち着いたレース運びで中盤を迎える。
前日の個人TTで4位という好リザルトを残した山口も余裕を持ったまま中盤に差し掛かる。
しかし、レース折り返し後の9周目、15名ほどに絞られた先頭集団で山口が不意の落車に見舞われる。
アタックに反応した前走選手の後輪に接触し単独で転倒。復帰に時間がかかり、第2集団まで追いつくも、熱中症も誘発し、その先に進むことができなかった。
15名ほどの先頭集団に残った高梨も、その後の揺さぶりに耐え切れず、残り3周を残して送れてしまう。
高梨、山口共に全ての力を出し切り、高梨が11位、山口が24位で、全日本選手権を終えた。
10位以内を目指してロードレースに臨んだ2人であったが、目標には今一歩及ばなかった。この悔しさをバネに、7月からの後半戦での活躍を期待したい。
6月25日(日)
エリートロードレース
天候:晴 距離:160km(8km×20周)
出走選手:床井、鈴木、村山
3日目はエリートロードレースが行われ、床井、鈴木、村山の3名が出走した。
日本SCSの8kmコースを20周、体力の消耗をいかに割き、後半の勝負どころで対応できるかが勝敗を分けると予想していいたが、序盤から積極的に逃げた選手が上位を固め、予想を覆すレース展開が繰り広げられた。
序盤のハイペースな時間帯で有力選手も零れ、鈴木と村山も遅れてしまい、床井のみがメイン集団でレースを消化してゆく。
春から好調を維持している床井は、前半は集団前方でレースの展開を見ながら後半の勝負に備えていた。
序盤から逃げたのは山本選手・岡選手(JCL TEAM UKYO)、山本選手(KINAN)を含む8選手。
レースは、後半に入っても逃げ集団と、それを追う60名ほどの大集団という構図。床井も集団前方で展開する。
レース折り返しの10周を過ぎたあたありから、ペースが上がらないメイン集団では、新城選手(バーレーン・ヴィクトリアス)が度重なるペースアップを図り、徐々に披露していた選手がドロップしてゆく。
14周目、新城選手の強烈な揺さぶりに集団が崩壊し始め、集団前方で耐えていた床井も遅れ始める。
遅れてからもペースを刻んでいた床井を含む4名の小集団だったが、あと2周を残しレースから除外されてしまった。
完走は約20名、予想されたタフなレースであったが、序盤から逃げた山本選手(JCL TEAM UKYO)が単独で逃げ切り強さを見せつけた。
残念ながらエリートは完走ならなかったが、床井をはじめ選手の調子は上々である。7月以降、結果に繋がるレースが期待して仕切りなおしてゆきたい。
今年の全日本選手権は、地元開催という事もあり、とても多くの皆様に応援いただきました。これからシーズン後半戦が始まります。引き続き、皆様の熱い応援よろしくお願いいたします。