RACE REPORT レースレポート

2024 Jプロツアー【第13戦】新城ロードレース

2024.09.08

photo : 三井 至

 

レース概要

Jプロツアー第13戦として開催された新城ロードレース。

新城市は2026年に開催予定のアジア競技大会の開催地となるため、本レースはそのプレ大会としての位置づけもあり、今回が初開催。「新城モビリティフェスタ2024」と同時に開催され、レースの車列にスーパーカーが入ったことも話題を集める中でのレースとなった。

 

コースは、1周16kmの公道コース。コースに1か所ある登り区間、その直後のテクニカルな下り区間、見通しのいい直線路などが組み合わさっており、展開を読みながら総合力の試されるレースになると予想された。また当日は気温35度以上を記録し、ハードなレースに拍車をかけた。

 

会場がチームの拠点である静岡県からほど近い事もあり、選手は前日まで各拠点でリラックスして過ごし、当日に現地入りしてレースに備えた。前回の広島2連戦から1か月以上の期間が空き、トレーニングの成果を発揮したい。本大会は、カナダから帰国したエリックを含め、5名での出走となった。

 

 

【開催日】

2024年9月8日(日)

 

【開催地】

愛知県新城市

 

【距離】

160.0km(16.0km×10周)

 

【出場選手】

高梨 万里王
山口 瑛志
夏目 天斗

サルマ 寛大

エリック ディアテンス

 

【出走人数】

117人(16チーム)

 

【動画】

YouTubeLive
https://www.youtube.com/live/76kvSnyN-lQ?si=scfuvb6nZHrjH8vD

 

Race Report

気温が上昇する10時にスタートをきると、各チーム積極的に動いていく。

さっそく1周目から集団が分断する状況も起こっている。特に狭くてテクニカルな下り区間で集団が分断しやすく、その後の平坦区間でも緩むことがない厳しい展開になった。

 

 

日本の暑さに順応しきれていないエリックがスタート後ほどなく遅れ、パンクでレースから離脱を余儀なくされたサルマ、その後に夏目も徐々に集団から遅れてしまう。

 

レースは半分を過ぎたところで、レバンテは山口と高梨の2名を残すのみとなった。こうなると、重要な先行グループに乗っていく以外に勝機はない。

 

 

レースが大きく動いたのは5周目。登り区間でペースが上がると、その後の下りを経て12名の先行グループが形成される。しかし、ここにチームから乗せることが出来なかった。多くの有力チームが含まれたこの先行グループは決定的に見えたが、乗り切れていない他チームの有力選手も存在し、まだ集団が完全にストップはしていない。残されたチャンスは、有力選手と共に追走に乗っていく事であり、山口と高梨は集団内でその機会をうかがう。

 

 

動いたのは7周目。山口のペースアップから集団が活性化。登り区間で有力選手と共に山口が数名で抜け出す。しかし、テクニカルな下りに苦手意識がある山口は、下り区間で遅れてしまう。その後、約2周を一人で走り続け、追いついてきた他チームの選手と2名で強調しながら追走し続けるが、先頭に追い付くことは出来なかった。先頭集団から遅れてきた選手と、後ろから数名追いついてきた選手で多少のシャッフルがかかったものの、山口は最後まで踏み続け14位でゴールとなった。また、高梨も無事に完走している。

 

 

レースの優勝は宇都宮ブリッツェンの沢田選手。結果的に、山口が当初いた数名の追走集団は先頭まで追い付き、勝ち逃げとなって最後の勝負を繰り広げた。レース終盤のほとんどの区間において風を受けながら追走し続けた山口の強さを再確認できたことや、山口がレースを動かしたタイミングは適切であった事は収穫である。しかし、下りへの苦手意識により、勝負に加わることが出来なかった。

 

選手の得意分野を発揮してレースで勝利を収めるためには、各選手の苦手分野克服は急務である。その上で、チーム全体の連携が無ければ勝負は出来ない。シーズン後半の残り少ないレースに向けて、もう一度チーム全体で立て直しを図っていく。

 

 

【レース結果】

1位 沢田 時(宇都宮ブリッツェン)

2位 孫崎 大樹(KINAN Racing Team)

3位 阿曽 圭佑(Sparkle Oita Racing Team)

14位 山口 瑛志

43位 高梨 万里王

DNF サルマ 寛大

DNF 夏目 天斗

DNF エリック ディアテンス