RACE REPORT レースレポート

2025 富士クリテリウムチャンピオンシップ 参戦レポート

2025.03.02

レース概要

レバンテフジ静岡のホームレースとして、例年3月初旬に開催される富士クリテリウムチャンピオンシップが、今年も地元富士市を会場に3月1日~2日の2日間に渡り開催された。今大会は、国内UCIコンチネンタルチーム、全日本実業団競技連盟を主戦場とするクラブチーム、日本学生自転車競技連盟(大学生)の選手が集い、クリテリウムレースの頂点を決める「クリテリム頂上決戦」である。チームとしては、年に1度地元で開催されるホームレースに高いモチベーションと感謝の意をもってレースに臨んだ。

 

【開催日】

2024年3月1日(土) 予選
2024年3月2日(日) 決勝

 

【開催地】

予選:静岡県航空協会富士川滑空場
決勝:静岡県富士市道臨港富士線(通称:青葉通り)

 

【距離】

予選 45km(1.5km×30周)
決勝 54km(1.8km×30周)

 

【出場選手】

高梨 万里王
床井 亮太
山口 瑛志
夏目 天斗
サルマ 寬大
井出 晃太郎
シーム キスコネン
渡瀬 義雄

 

【出走人数】

予選 135人
決勝 75人

 

【動画】

YouTubeLive
https://www.youtube.com/live/8aqVJUmCxhI?si=_d7qA8v5tf-hKfTx&t=18286

 

【予選】

(3月1日 土曜日)

1日目の予選は、富士川滑空場を舞台とし、往復1.5kmのフラットなコースを30周する。
予選は3組に分かれて開催され、各組の上位25人が翌日の決勝へと駒を進める。

見見渡しのよい滑空場は、どこからでも選手間の距離が見えやすく、レースの展開を読みながら立ち回ることが重要になる。通常、平坦基調のコースでは集団スプリントになるケースが多いが、このコースは海風の影響と、繰り返される立ち上がりの急加速により集団が分裂し、スピードとインターバル能力に長け、レースの位置取りが上手な選手でなければ予選を通過する事はできない。

レバンテフジ静岡は、1組目に、高梨、山口、キスコネンの3選手。2組目に、床井、夏目の2選手。3組目に、サルマ、井出、渡瀬の3選手が出場した。

 

予選1組
中盤にキスコネン含む6名ほどの逃げが形成され、それをおいかけるメイン集団は2つに分かれた。前方集団に高梨、後方集団に山口というレース展開。キスコネンと高梨は予選通過25名の安全圏内であったが、山口の集団は予選通過のボーダーラインとなり集団上位でゴールしなければならない。ゴールスプリントを苦手とする山口は、懸命にアタックを繰り返し抜け出しを図るも、集団はこれを容認せず35位で予選通過は成らなかった。キスコネン、高梨は、決勝進出を果たし翌日に備える。

photo:三井至

 

予選2組
1組目の予選を見ていた各選手は、先頭集団に残ろうと序盤からハイペースで展開した。序盤のアタックの猛襲により集団から送れる選手が続出するが、床井と夏目は落ち着いてレース展開を伺う。結果、22周目でメイン集団が25人となったため8周回を残しレースは終了し、メイン集団に残っていた床井と夏目は共に決勝に駒を進めた。

photo:三井至

 

予選3組
1組、2組ともに、前に残ったものが予選を通過するサバイバルレースとなったため、序盤から渡瀬が果敢にアタックを試みる。トラック選手の井出は、集団内の位置取りは良かったが、繰り返されるインターバルに耐え切れず中盤でDNFとなる。中盤、勢いを増した集団から渡瀬もドロップしてしまいDNFとなった。第3集団に取り残されたサルマは、果敢にアタックを繰り返し、28週目に飛び出した。その勢いのまま第3集団を引き離し20位でゴール、この組からはサルマのみが決勝へと駒を進めた。

photo:三井至

結果レバンテからは高梨、キスコネン、床井、夏目、サルマ5名が決勝に進み、山口、井出、渡瀬の3名が交流戦へと進んだ。

 

【決勝】

(3月2日 日曜日)

富士市内の青葉通りに舞台を移し開催された決勝レース。
片道3車線の広いコースレイアウトは、集団スプリントに持ち込まれる可能性が高く、スプンターを有するチームブリヂストンサイクリングやKINAN Racing Teamなどが有力候補として挙げられる。

チームとしては、唯一のスプリンター夏目天斗と、爆発力のあるキスコネンを主軸に勝利を目指す。

レースは、序盤からアタックの応酬で幕を開ける。主導権を握りたいチームや選手が抜け出しを図るが、勢いのある集団はそれを許さない。

レースが動いたのは12周目、横塚選手(VC福岡)と白川選手(ビクトワール広島)が集団から抜け出し、追走の林原選手(群馬グリフィン)とレバンテから床井が合流し、4名の先頭集団を形成する。逃げを得意とするこの4名は、足並みを揃え、スムーズなローテーションでラスト1周まで逃げ続ける。途中、20周目に設けられた周回賞を床井が獲得し、レースは残り10周の終盤へ進む。

スプリンターを揃えるチームブリヂストンサイクリングと、総合力の高いシマノレーシングがコントロールするメイン集団に対し、足並みの揃っている先頭4名は快調に逃げ続け、20秒から40秒ほどの差で終始推移する。

残り5周、シマノレーシングのペースアップで徐々に先頭とメイン集団の差が詰まり始める。アシストを減らしながら猛追するシマノレーシングの後ろにはチームブリヂストンサイクリングの選手が並び、ゴールスプリントに向けて隊列を形成する。レバンテは、キスコネンが集団前方でレース展開を伺い、夏目もポジションを上げゴールに備える。

最終周、チームブリヂストンサイクリングの隊列が先頭を固め、最終コーナーを立ち上がる。各チームのスプリンターが前方で犇めき合うなか、競り合いから抜け出した松田選手(チームブリヂストンサイクリング)が先頭でゴールを駆け抜けた。キスコネンは4位でゴール、惜しくも表彰台に届かなかったが、生粋のスプリンターではない彼にとっては良い形でのゴールとなり、チームとしても今レース歴代最高位で終える事ができた。

今年のチームは、団結力があり、各選手が自分の役割を把握しながらゴールを目指すことができている。今回のレースは、序盤のアタック合戦に床井、高梨、サルマが積極的に参加し、ほぼ想定していた展開をつくりだす事ができた。終盤のゴールに向けたチームワークに課題が残るが、今シーズンは選手スタッフ一丸となってJプロツアーでの優勝を掴み取りたい。

 

次戦は3月29日-30日のJプロツアー宇都宮2連戦である。
動き出した2025シーズン、引き続きレバンテフジ静岡の応援をよろしくお願いします