RACE REPORT レースレポート

2021JCL 湧水の郷しおやクリテリウム

2021.10.31


2021JCL 湧水の郷しおやクリテリウム

会場道の駅 湧水の郷しおや特設周回コース
距離116.1km(7.74km×15周回)
出走52名
出走メンバー佐野、鈴木 龍、石井、鈴木 史竜、海野、高梨

ジャパンサイクルリーグ第11戦、湧水の郷しおやクリテリウム。レバンテフジ静岡より、佐野 淳哉、鈴木 龍、石井 駿平、鈴木 史竜、海野 晋作、高梨 万里王の6名が参戦。チームキャプテンの佐野が、終始積極的にレース展開を作りました。

レースレポート

初開催となる、湧水の郷しおやクリテリウム。宇都宮市の北に位置する栃木県塩谷郡で、クリテリウムレースが行われた。
今回は、1周2.8kmのコースを30周、計84kmと、クリテリウムとしてはコースもレース距離も長めの設定。かつ落車時や車両故障の救済をするニュートラリゼーションが設けられていないため、レース中のトラブルは即リタイアに繋がる。コース上には1箇所、幅員が狭くテクニカルなクランクがあり、クラッシュの危険性も考えられる。各チームの選手たちは念入りな試走を重ね、スタート前には全選手を代表してチームキャプテンの佐野がレースの注意喚起を行った。初めてレースが開催されるコースであること、また前述の通り危険な箇所があることから、事故を未然に防ぐために選手間の認識を改めて共有し、安全なレース開催を誓った。
レバンテフジ静岡は、エーススプリンター鈴木 龍の調子が上がっていないため、一人でも多く最終局面にメンバーを残して勝負したい。またフィニッシュラインが上り基調になっており、単純なスプリント勝負にならない可能性も高い。
 
13:00、今にも雨が降り出しそうな曇天の中、予定通りレース開始。
序盤から、激しい位置取り争いとアタック合戦が続く。レバンテフジ静岡は、常に佐野が集団前方に位置取り、抜け出そうとする選手のチェックや、自ら逃げの機会を探りアタックを仕掛けるなど、積極的な走りを見せる。若手の高梨、海野も、集団前方に位置し、シーズン終盤に向けて各選手の士気の高まりが感じられる。
各チームによるアタックの応酬は続き、レースが動いたのは9周回目。宇都宮ブリッツェンやKINAN CYCLING TEAM、スプリンターを多く抱えるスパークルおおいたなど、有力チームが1名ずつ入った6名の先頭集団が形成され、さらには宇都宮ブリッツェンのエースである増田選手が合流することで、非常に強力な7名のエスケープとなった。
メイン集団は佐野を含む数名が先頭を牽引し、逃げ集団を追う状況。逃げの7人は10周回目の中間スプリント争いへ突入し、スパークルおおいたの小野選手が先頭で通過した。その後も、この集団はメイン集団に20~30秒の差をつけ、レース終盤まで先行することとなる。
 
レース中盤から終盤にかけても、佐野やさいたまディレーブ、那須ブラーゼンの選手たちがメイン集団のペースをコントロールし、一向にスピードは落ちない。途中、何度か佐野がメイン集団からのエスケープを試みるが、集団は容認しなかった。
残り10周を切ると、逃げ集団とメイン集団の差は20秒、15秒と着実に詰まってゆく。チームはこの時点で佐野と高梨のみを残す状況。クランクで一列棒状となり、集団後方で通過すると脚を削られてしまうことからリタイアが相次ぎ、集団の人数は30名ほどに減っていた。
そして残り7周回のスタートゴール地点、佐野が一気にペースアップを図り、先行する7人をキャッチして集団は一つになる。ゴールに向けて活性化した集団からアタックが頻発し、ここまで良い位置をキープしてきた高梨が遅れてしまう。
26周回目(残り4周)、スタートゴール前の上り区間でペースが上がり、集団が3つに分裂。ここまで果敢に攻め続けた佐野もついには力を使い果たし、第3集団でフィニッシュを迎えた。
 
レースは分裂した第1集団と第2集団が纏まりゴールスプリントに。那須ブラーゼンの金子選手が、初開催の地元レースで優勝を飾った。レバンテフジ静岡は、佐野が26位ゴールという結果だった。
 
シーズンは残すところ2レースとなったが、ここにきて佐野の復調が目覚ましい。終始集団前方で果敢に攻め、存在感のある走りでレース展開を作った。
しかしチームとしては、今回のような動きを生かして、最終局面に勝負のできる選手を残したいところだ。終盤戦へ向けた前方展開への意志がチーム全体に波及すると、チーム全体の雰囲気もより良いものになるだろう。佐野の復調に続き、若手の成長にも期待したい。
 
SNSやYouTubeのチャットにて、たくさんのご声援を頂戴しました。サポーターやファンの皆様の熱い気持ちは、すべて選手の心に届いています。ありがとうございます。
来週はついに最終ラウンド、2021シーズンもあと2戦、応援、どうぞ宜しくお願い致します!

 

Photo by 三井 至